. Feel が Nice な Groove -2
.
Nice Feel Groove
だいぶ間が空いた前回からのグルーヴの話の第2弾をお届けさせておくんなさい。、
まだインターネットが普及していなかった時代。
ドラムの情報は、雑誌や、たまに居る詳し目の人から(先輩が多い)得るのが主でした。
情報誌にはソノシートなんて云う、ペラペラのレコード盤(だいたい赤の半透明)が時折付録として挟まっておりました。
因みに自分は何枚か持ってたけど、聴こうと思ってるうちに聴かずじまいでした。
めちゃめちゃ過酷そうな筋トレメニューなんかも特集されてた記憶がありますが、キツそうだったので実践はしませんでした。
鉄パイプで演奏するんなら筋トレもいいかもですが、スティックは1本だいたい50グラムくらいなのに、という思いが強かったのかもしれません。
なんてこったでしたね。
楽譜なんかも載ってましたが、ややこしくて追いつけないと思ったら、なかなかやる気が出なかったもんです。
余りにも無知すぎました!
そんなところ辺りで、バンドブームが来てからはテレビで色々なバンドのライブ映像が放送されるようになりました。
亜無亜危異とルースターズ合体バンドの
「雨を見たかい」は衝撃的でしたね。
池畑さんとコバンさんのツインドラムは、カッチョ良すぎて正に鼻血が出たもんです。。
そして辿り着いたのが、泉谷しげるさんのバックでドラムをプレイする巨人、村上ポンタ秀一!(様)
泉谷しげる with Loser
ポンタさんは当時で37歳。
32分や6連符なんかを自在に組み込む(俺見解)リズム・マスター。
あらゆるグルーヴやテンポを操るドラミングに、感動と衝撃を受けました~。
最も「うっ!」と、思ったのは、やはりその全体の柔らかさでしょうか。
硬質なリズムでもどこか丸く、柔らかい。
イメージ的には、POWERと爆音!なんて言う感じもありましたが、そうじゃなかったんでしょうね。
ミドルテンポのズシンとしたゴリゴリのグルーヴが、全く耳に厳しくなく優しい。
やはり、操っていらっしゃるんですよ、グルーヴを!
それから20年以上経ってから、フェスにて袖からポンタさんの演奏をガッツリ見させてもらう機会がありました。
チャボさんのステージでしたね。
素晴らしかった。
動画で見ていたテクニックなんかも駆使してらっしゃって、これまた大感動。
また、風が強めの中、結構楽譜を気にして演奏されていたんですが、遂に曲の後半辺りで楽譜が全部風で飛ばされるというハプニングがありました。
スタッフの方が気づいてなくて、僕は「どうしたらいいんだ!」なんて勝手に心配してから、
ススッと中腰で出ていってササッと楽譜を譜面台に戻すべきなんじゃないか?と思ったのですが、
The Clashのツアー・ドキュメント映画
「Rude Boy」で、ライブ中に絡まったギターのシールドコードを直そうとしていて
「ステージから降りろ、クソ野郎が!」
と、ミック・ジョーンズに思い切り怒鳴られたローディー、レイ・ゲンジを思い出して、見守るしか無かったのを覚えておりますな。
(四六時中酔っ払っていて、我儘なろくでもない若者だったんですよ、レイは。)
で、少し焦ってらっしゃったポンタさんですが、結果的に何の問題もなく演奏を終えておりましたよ。
余計な心配でしたね。
ワタクシは、終わってからすぐ何杯目かのビールをグイッとしました。
そして、またそれから何年か経ったある日。
都内の某スタジオで、怒髪天のリハーサルをしていた時に、ポンタさんが来ている!という噂が飛び交ったのです。
自分は「マジかー!」なんて驚きソワソワしつつ、先ずコンビニでドリンクとパンを買ってこようってことでエレベーターに乗り1階まで降り、扉がオープン。
すると、何とその目の前にポンタさんが!
「あぁっ!」と、驚きズズズと後ずさり
「すいません!失礼します!」
と何故か謝りながらエレベーターから出た。
その時ポンタさんも
「おっ、すいませんね。」と、仰られていました。
パイプを咥えていたような気がします。
その後、ポンタさんの入るスタジオのドア窓から恐る恐る覗かせて頂いたのですが、若手の方とツインドラムで演奏なさってましたね。
いやぁ、ほんとに驚きました。
話は再び遡り&少し飛びますが、ラジオから流れるチャボさんの「向日葵 10.9」を聴いて、あまりの素晴らしさに衝撃を受けたのが27年前(ドラム:ポンタさん)。
直ぐにアルバム「DADA」を買って、何度も聴きました。
正に珠玉の名作で、未だにヘビロテであります。
その中の1曲に「ランタン」という曲があります。
ゆったりとした心地の良いテンポで、前半と後半2箇所で11小節ずつメロの後ろでドラムソロ的なフレーズのセクションがありまして、その内容がまた凄まじく素晴らしい。
ドラムの全てが凝縮されているかのようであります。
こんなの叩きたいけど、まぁ無理だなこりゃぁ…なんて事を思いながら27年。
ふと、
「俺ももう50も過ぎたし、もしかしてある程度までは真似出来るかもしれない。」
と、思い立ち、アプリを利用して速度を落とし、何十回と聴き返しながら楽譜におこすに至った!
勿論性格ではないが、形になったそのフレーズのイメージを膨らませて、まずは超スローテンポ、1小節毎と細かく分けて演奏してみました。
初めはなかなか追いつかなかったんですが、何とか手応えを感じるまでに至りました。
この「ランタン」は、ポンタさんが42歳の時のテイクだ。
あれから27年、今年の俺は54歳、、なんてことまで深く考えやしませんが …
そこにあらゆる教訓が詰まっている気がするが、もうどうでもいいやね!そんなことは ~ 。
ところでこの名曲、
「ランタン」
ですが、テンポに注意して聴いてみると、後半辺りから少し上がって行っております。
違和感などではなく、余程注意して聴かないと気づきません。
これが正に自然なんですね。。
テンポが上がっていくので有名な曲に、ハービー・ハンコックの、
「カメレオン」
があります。
ドラムはハーヴィー・メイソン。
なかなか加速したりもしますが、違和感はありません。
タッチや鳴らし方など様々にあてているんでしょうね。
15分41秒という長さもあっという間ですから、その辺に極意があるのかもしかれませんね。
わかり易そうなところで、シンバルの場合で言うと、
スティックの数だけ音色があり、そこに添え方、鳴らし方、鳴らす人間などの変化を加えると、
1枚のシンバルでも音色が無限に広がるってことですね。
もっと言えば、経年による分子構造の変化でも…
キリがないですね。ウソです。
おまけみたいな感じになりますが、自分がオススメしたいドラムの動画ですが、
アフリカの片隅の村で、幼い子供が鍋や缶で手作りしたキットを鳴らして歌ったりもするやつ。
https://m.youtube.com/watch?v=VjckpWbmQ6Q
DNAレベルのものを感じやすいし、見ていてワクワクがあります。
いやぁ ~ 、素晴らしい。
世の中、素晴らしい人ばっかりだな!
では、また!