別の世界
お晩です、Chan-Sakaです。
ふと思い出したんですよ。故郷の川を遡上する鮭の後を追い、上流を目指してひたすら辿って登って行ったコトを。
自分が中学時代を過ごした、積丹半島の先っぽにほど近い余別町は、夏は観光客で賑わうが季節を外れると閑散さが寂しさを醸し出すCountry Town。
余別は日本海と山に挟まれており、山から海へは余別川という二級河川が流れています。鮭は毎年その川を上ってくるわけで、その鮭たちはどこまで上っていくんだろうと疑問に思ったことがあったんですね、あの頃は。
んで、友人と3人で川を遡ってひたすら歩いて行きました。しばらくいったんですが、結構大きめな川なので果てしな過ぎると気付き、本流から外れた方の小さい流れをたどることにしたのです。
しばらくそこを辿ったんですが、その流れはとても鮭が上れるような様子ではなく、生い茂った草の目立つチョロチョロに近いほどの流れだったのです。
その時は既に鮭の行き先は頭の隅に追いやられ、この流れの先はどうなってるんだろう?という興味の方に皆んなのベクトルが向いておりました。
草や枝をかき分け、だいたい1時間は上ったでしょうか。そろそろ疲労が隠しきれなくなってきた頃、ふと目の前に少しだけ開けた場所があったのです。
湧き水が小さな溜まりを作っていて、低い山壁に囲まれておりますが、青空が突き抜けていてとても明るく清々しい。
そして、水が信じられないほど澄んでいて、まるでそこだけ時間の流れが別のようだったのを覚えています。
そんで、我々は見つけたんですよ。
その溜まりの中で静かに尾を揺らしてを佇む、カラダに傷をつけた鮭を。
「いたーっ!」と叫んだ後、思わず我に返って口を塞ぎましたね。
鮭の聖地に無断で足を踏み入れてしまった自分に、得体の知れない危機感を一瞬感じたのです。
とにかくそこは静寂に包まれ、そこ以外が下界と思わせるような、正に神々しいと感じる場所だった。
もしかしたら、ホントに神がいたかも知れません。
今んとこ自分の知る最も美しい場所かもしれないと思います。
その時の様子は非常に強烈だったので、未だにふと思い出すことがあるんですが、深く思い起こして考えたのは初めてのこってす。
ちょうどそんなポイントに嵌っていたのでしょうかね。
そう云う時って、有りませんか?
《Chan-Saka》
Bud & Surume
Tree of Tears ...